<身を起こし頭を上げなさい ルカの福音書21章20~28節>
私たちは、終わりの時代の患難試練に絶えず試みられ苦しむことで、「理想郷(ユートピア)」を夢見てそこに逃げ込みたいと思います。しかし私たちが逃げ込むことのできる「理想郷(ユートピア)」は、現実の世界には存在しません。終わりの時代の患難試練にあって、諸国の民は不安に苦悩するが、人の子が栄光とともに来るので、身を起こして頭を上げなさい。
1.諸国の民は不安に苦悩する
イエス様は、受難の一週間の中で、エルサレム神殿の崩壊と都エルサレムの滅亡を預言しました。神殿の崩壊と都の滅亡が、この世の終わりでなく、その後も終わりの時代の患難試練は続きます。しかし神殿の崩壊と都の滅亡の原因となった原理原則は、終わりの時代の患難試練にも共通しています。外見的に立派に見えても、見栄を張った、中身のない偽りの信仰は必ず滅びます。イエス様は、神殿が崩壊し都が滅亡する時の避難経路を教えています。当時の有事の際の避難経路は、城壁のある堅固な都エルサレムに逃げ込むことでした。しかしイエス様は、それとは逆に、都エルサレムから逃げ出すことを教えたのです。紀元70年に都エルサレムが滅亡し、神殿が崩壊した時、キリスト者はイエス様の教えに従い、エルサレムから逃げ出すことで、難を逃れたのです。イエス様は、「終わりの時代の患難試練において、諸国の民は不安に苦悩するが、身を起こし頭を上げなさい」、と教えています。キリストの十字架の贖いの死と復活のみもとに逃れ、イエス様のみことばに聞き従おうではありませんか。
2.人の子が栄光とともに来る
終わりの時代の患難試練にあって、身を起こし頭を上げて生きるためには、将来への確かな希望が必要です。イエス様は、人の子(イエス・キリスト)が栄光とともに再臨することが、私たちの将来への確かな希望であることを教えています。イエス・キリストが栄光と偉大な力とともに再臨される時は、キリスト者だけでなく、全ての者がその光景を見ることになります。イエス・キリストを拒絶した者は、永遠の刑罰に定められます。しかしイエス・キリストを信じ受け入れた者には、贖いの御業が成就するのです。人の子が栄光とともに来ることを、イエス様は『あなたがたの贖い』(28節)と教えています。私たちの体がキリストの復活の体、朽ちることのない栄光の体に変えられる時であり、今の天地が過ぎ去り、神様が全てを治める新天新地が完成する時です。あなたがたの贖いは近いので、身を起こし頭を上げなさい。
3.身を起こし頭を上げなさい
終わりの時代の患難試練にあって、身を起こし頭を上げるとは、どのように生きることなのか。①この世の罠にかからないように注意することです(34節)。②人の子の前に立つことをいつも覚え祈ることです(36節)。③いつも人生の試練(課題)に応えた御心にかなった生き方をすることです。
関連聖書箇所
◎ヨハネの黙示録1章7節
7 見よ、その方は雲とともに来られる。すべての目が彼を見る。彼を突き刺した者たちさえも。地のすべての部族は彼のゆえに胸をたたいて悲しむ。しかり、アーメン。
◎Ⅰコリント書15章57、58節
57 しかし、神に感謝します。神は、私たちの主イエス・キリストによって、私たちに勝利を与えてくださいました。
58 ですから、私の愛する兄弟たち。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは、自分たちの労苦が主にあって無駄でないことを知っているのですから。