<真実を伝えたキリスト ルカの福音書22章63~71節>
8月に、南海トラフ巨大地震注意臨時情報が出されたことについて、アンケート調査で82%の方が賛成と答えたそうです。真実を伝え知ることは、災害から私たちのいのちを守る最重要事項です。イエス・キリストは私たちに真実を伝えました。しかし私たち人間は真実を知りたいと思わず、真実を拒絶したのです。キリストは真実を伝えたが、冒瀆の苦しみに耐え忍び、力ある神の右の座に着いた。
1.キリストは真実を伝えたが
ユダヤ最高法院(議会)でイエス様がさばかれた時、「救い主」について三つのことば、『キリスト』(67節)、『人の子』(69節)、『神の子』(70節)が使われています。①『キリスト』ということばから、当時のユダヤ人は、ダビデ王のような軍事的政治的な力のある指導者(王)を求めていました。イエス様は御自身が救い主であることを伝える時に、誤解を避けるために、「キリスト」ということばを使いませんでした。②『人の子』イエス様が、御自身が救い主であることを好んで使ったことばです。イエス様は、神様が人としてこの世界に来た『人の子』ということばから、救い主の真実を数多く伝えたのです。
③『神の子』イエス様は御自身が救い主であることを表すことばとして、『神の子』と言うことばもほとんど使っていません。『神の子』とは「神様」という意味であり、聖霊による信仰告白にイエス様は委ねたからです。しかし、イエス様は『おまえは神の子(神)なのか』と尋問された時に、イエス様は『わたしはそれです』(70節)、と『救い主』(神様)である真実を伝えたのです。
2.冒瀆の苦しみを耐え忍んだ
大祭司の手下は、イエス様が伝える『救い主』についての真実を知った上で、『多くの冒瀆のことばをイエスに浴びせた』(65節)のです。そして、ユダヤ議会の指導者たちは、イエス様のことばが真実か偽りか判断するのでなく、イエス様を殺す口実を見つけるためのさばきを行ったのです。私たちも私たちの心の王座に、自己(自分)という王様が座り込み、自分にとって都合が良い悪いで物事を判断してはいないでしょうか。真実を伝えるイエス様を自分の心の王座から閉め出してはいないでしょうか。神様は、真実を受け入れようとしない私たちを滅ぼすのでなく、罪のない神の御子イエス・キリストを私たちの罪の身代わりに十字架で殺すことで、私たちの罪を赦して下さったのです。
3.力ある神の右の座に着かれた
『今から後』(69節)とあるように、今すでに勝利したイエス様は、救い主キリスト、神の子として、『力ある神の右の座に着いています』(69節)。私たちは、天の御座に着座している救い主キリスト、神の子を仰ぎ見ながら、神の御心に謙遜に従い、神の国の完成に用いられる歩みを始めましょう。イエス様はすでに私たちに真実を伝えているのです。
聖書関連箇所
◎ダニエル書7章13節
13 私がまた、夜の幻を見ていると、見よ、人の子のような方が天の雲とともに来られた。その方は『年を経た方』のもとに進み、その前に導かれた。
◎ルカの福音書5章24節
24 しかし、人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたが知るために──
◎ルカの福音書6章5節
5 そして彼らに言われた。「人の子は安息日の主です。」
◎ルカの福音書18章32,33節
32 人の子は異邦人に引き渡され、彼らに嘲られ、辱められ、唾をかけられます。
33 彼らは人の子をむちで打ってから殺します。しかし、人の子は三日目によみがえります。」
◎ルカの福音書21章27節
27 そのとき人々は、人の子が雲のうちに、偉大な力と栄光とともに来るのを見るのです。
◎Ⅰペテロ書2章22~24節
22 キリストは罪を犯したことがなく、その口には欺きもなかった。
23 ののしられても、ののしり返さず、苦しめられても、脅すことをせず、正しくさばかれる方にお任せになった。
24 キリストは自ら十字架の上で、私たちの罪をその身に負われた。それは、私たちが罪を離れ、義のために生きるため。その打ち傷のゆえに、あなたがたは癒やされた。