<あなたを救う信仰 ルカの福音書17章11~19節>
日本では、年末から新年を迎えるまでの一週間に、クリスマス(キリスト教)、除夜の鐘(仏教)、初詣(神道)と、三つの宗教を渡り歩く、宗教のはしごが、当たり前のように行われています。イエス・キリストを信じる信仰者も、「自分のための御利益(ごりやく)信仰」となってしまうことに注意しなければなりません。イエス様は『あなたの信仰があなたを救った』(19節)と「あなたを救う信仰」について教えています。あなたを救う信仰とは、自分のための神信仰でなく、イエス様にひれ伏す信仰、神の国に用いられる信仰です。
1.自分のための神信仰でない
イエス様に、十人のツァラアトに冒された人達が、ツァラアトの癒しを求めました。十人の内九人はユダヤ人、一人はサマリア人でした。『ツァラアト』とは、ハンセン病よりも広い皮膚病で、当時は不治の病とされた感染症でした。人々から恐れられた病、宗教的には汚れた病でした。イエス様は『行って、自分のからだを祭司に見せなさい』(14節)と命じました。十人は祭司のもとに行く途中で癒されたのです。癒された後に、十人に違いが生じました。一人のサマリア人は、イエス様にひれ伏し感謝するために戻って来ました。しかし九人のユダヤ人はイエス様のもとに戻って来ませんでした。九人のユダヤ人の信仰は、癒されることだけを求めた御利益信仰でした。彼らの願いが叶った後、彼らはイエス様のもとを去って行ったのです。私たちも自分のための神信仰となることに注意しようではありませんか。
2.イエス様にひれ伏す信仰
癒されたサマリア人は、『大声で神をほめたたえながら』(15節)、イエス様のもとに戻って来たのです。癒されたサマリア人は、自分の体が癒された喜び以上の喜びが与えられていたのです。それは、癒しを通して、イエス様こそが神様、救い主キリストであることが分かった大きな喜びです。癒されたサマリア人は、『イエス様にひれ伏し感謝した』(16節)のです。彼は後に、イエス様が十字架で贖いの死を遂げ、罪と死に完全に勝利して三日目に死から復活されたことを知るようになります。彼は、自分の病が癒された時より以上に、イエス様にひれ伏し感謝したはずです。
3.神の国で用いられる信仰
イエス様は、癒され、イエス様のもとに戻って来たサマリア人に、『あなたの信仰があなたを救った』(19節)と言っています。イエス様はここで、『(病の)癒し』と『救い』を明確に区別しています。『救い』は、罪の赦し、死の滅びからの救い、神の国(天国)に入る者になること、そして地上で始まった神の国に用いられる者になることです。イエス様はサマリア人に『立ち上がって行きなさい』(19節)と命じています。イエス様は私たちにも、あなたを救う信仰、イエス様にひれ伏す信仰、神の国に用いられる信仰を期待しています。
関連聖書箇所
◎ルカの福音書1章46~48節
46 マリアは言った。「私のたましいは主をあがめ、
47 私の霊は私の救い主である神をたたえます。
48 この卑しいはしために目を留めてくださったからです。ご覧ください。今から後、どの時代の人々も私を幸いな者と呼ぶでしょう。
◎ルカの福音書2章13,14節
13 すると突然、その御使いと一緒におびただしい数の天の軍勢が現れて、神を賛美した。
14 「いと高き所で、栄光が神にあるように。地の上で、平和がみこころにかなう人々にあるように。」
◎ルカの福音書2章17~20節
17 それを目にして羊飼いたちは、この幼子について自分たちに告げられたことを知らせた。
18 聞いた人たちはみな、羊飼いたちが話したことに驚いた。
19 しかしマリアは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。
20 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
聖書参照箇所
福音讃美歌91「神の御子は今宵(こよい)しも」
1. 神の御子は今宵しも ベツレヘムに生まれたもう。
いざや友よ、もろともに、
いそぎゆきて拝まずや。いそぎゆきて拝まずや。
4. とこしなえのみことばは、今ぞ人となりたもう。
待ち望みし主の民よ、
おのが幸をいわわずや。おのが幸をいわわずや。