<恐れることはありません ルカの福音書1章5~23節>
クリスマスは、教会だけでなく、日本中、世界中の人達にとって、喜びの時です。しかし世界で初めのクリスマスは、『恐れることはありません』(13節)という神様のみことばから始まったのです。自分の思いで立てた計画よりも、主の大いなる御計画を認め、黙って主の御心を思い巡らす。
1.自分の思いで立てた計画より
ルカの福音書は、救い主イエス・キリストの誕生の前に、先駆けとなるバプテスマのヨハネの誕生を伝えています。バプテスマのヨハネの父、祭司ザカリヤと妻エリザベツは、神様を恐れる敬虔な地方祭司の夫婦でした。しかし二人は子どもが生まれないままに年を取りました。祭司ザカリヤは、エルサレム神殿の香の祭壇で、香をたくという人生一度限りの晴れ舞台に立つ時が来たのです。祭司ザカリヤの願いは、つつがなく、とどこおることなく、落ち度なく手順通りに奉仕をして、イスラエルの民を祝祷することでした。しかしその時、突然神の御使いが現れ、祭司ザカリヤの手順は狂ったのです。ザカリヤは、祭司としての務めを、自分の思いで立てた計画で進めていました。神様が突然介入し、自分の立てた計画通りに進まなくなった時、ザカリヤは取り乱しパニックに陥ったのです。私たちも自分の思いで立てた計画が思い通りに進まず頓挫する時、恐れます。神様が声を掛けています、『恐れることはありません』。
2.主の大いなる御計画を認める
神の御使いが祭司ザカリヤに現れたことは、ザカリヤにとって神様の突然の介入であっても、主の大いなる御計画の内にある、神様にとっての最善の時と場所での出来事でした。御使いはザカリヤに、『あなたの願いが聞き入れられた』(13節)と伝えています。ザカリヤの願いは、イスラエルが贖われること、自分に子どもが与えられること、祭司の務めを全うすることでした。ザカリヤの全ての願いは、自分の思いで立てた計画ではなく、主の大いなる御計画の内に実現するのです。主の大いなる御計画にあって、ザカリヤに息子ヨハネが与えられます。息子バプテスマのヨハネが、救い主イエス・キリストの先駆けとして、罪を悔い改めた整えられた民を準備するのです。自分の思いで立てた計画よりも、主の大いなる御計画に、『あふれるばかりの喜び』(14節)があるのです。主の大いなる御計画を認めましょう。『恐れることはありません』。
3.黙って主の御心を思い巡らす
祭司ザカリヤは、神の御使いのみことばを信じることができませんでした。
神様は、不信仰に陥ったザカリヤの口をきけなくしました。ザカリヤは子どもの誕生までの十ヶ月間、自分のことばに沈黙して、神の御使いが伝えた『良い知らせ』(19節)を思い巡らし続けたのです。主の大いなる御計画にあって、ザカリヤが果たす主の御心を思い巡らしたのです。私たちも、自分のことばに黙って、主の御心を思い巡らしましょう。『恐れることはありません』。
関連聖書箇所
◎ルカの福音書1章13節(ザカリヤへ)
13 御使いは彼に言った。「恐れることはありません、ザカリヤ。あなたの願いが聞き入れられたのです。あなたの妻エリサベツは、あなたに男の子を産みます。その名をヨハネとつけなさい。
◎ルカの福音書1章30節(マリアへ)
30 すると、御使いは彼女に言った。「恐れることはありません、マリア。あなたは神から恵みを受けたのです。
◎ルカの福音書2章10節(羊飼いたちへ)
10 御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えられる、大きな喜びを告げ知らせます。
◎民数記6章24~26節(アロンの祝祷)
24 【主】があなたを祝福し、あなたを守られますように。
25 【主】が御顔をあなたに照らし、あなたを恵まれますように。
26 【主】が御顔をあなたに向け、あなたに平安を与えられますように。』