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2023年3月19日 東村山キリスト教会伝道礼拝 説教要旨

<必要なことは一つだけ ルカの福音書10 章38~42 節>

2022 年の自殺者数が21,881 人でした。そして小中高生の自殺者数はその内、512 人でした。二年ぶりの増加となりました。子どもの自殺が500 人を超えるのは、はじめてのことでした。それぞれの健康問題、家庭問題、経済生活問
題に、コロナ禍などによる社会不安が重なって、それぞれの思い煩い、不安が深刻化したことが考えられます。思い煩い、心を乱し、落ち着かない時代にあって、イエス様は『必要なことは一つだけです』と教えています。必要なことは
一つだけです。思い煩い心を乱すことでなく、主のもとで主のことばに聞く。

1.思い煩い心を乱すことでなく
イエス様と一行が、マルタとマリアの家でもてなしを受けました。妹のマリアと姉のマルタとは対照的でした。マルタは女主人として、もてなしのためのたくさんの計画を立て、思い煩い、心を乱し、落ち着きませんでした。
①自分の計画に思い煩う『落ち着かない』(40 節)ということばは、ギリシャ語では、「周りに引く」「心がそれる」ということばです。マルタはなすべきことの多さに、心がまっすぐ目的に向かわず、心があちこちに向かい、主イエ
ス様を愛しもてなすという一番大切なことを見失っていたのです。
②自分の不満に心を乱すマルタの不満は、マリアに対する不満だけでなく、根本的には、イエス様に対する不満でした。イエス様がマルタの働きや存在を認めていない不満です。さらにマルタの不満は、自分の働きと存在が認められていない、自分自身に対する不満であり不安でした。私たち人間は、かりに全てが成功したとしても、自分の行いで、自分の存在を確かな存在とし、自分の存在を喜び楽しむことはできません。自分の行いに頼るならば、自分の存在に、生涯、不満を抱き続け、心を乱し続けます。自分の行いで、思い煩い、心を乱す、空しい人生から、生涯抜け出すことはできないのです。

2.主のもとで主のことばを聞く
思い煩い、心を乱し、落ち着かないマルタに、イエス様は『必要なことは一つだけです』(42 節)と教えています。マリアのように、主のもとに座り、主のことばに聞き入ることでした(39 節)。
①主のもとに座る一番尊い愛のこもったもてなしをしているのは、イエス様です。イエス様は、私たちの罪の身代わりとなって十字架で死に、死から復活することで、私たちが主のもとに座ることを許してくださいました。罪を赦さ
れた、永遠のいのちが与えられた確かな存在にしてくださったのです。②主のことばに聞き入るナルドの香油を献げたマリアのように、私たちは主のもとに座り、主のことばに聞き入ることで、主のことばで養われ、主のことばで立ち上がり、主のことばで神様が期待している神の御業を行うことができるのです。思い煩い、心を乱し、落ち着かない時代にあって、必要なことは一つだけです。主のもとに座り主のことばに聞き入ろうではありませんか。

関連聖書箇所
◎伝道者の書2 章11 節
11 しかし、私は自分が手がけたあらゆる事業と、そのために骨折った労苦を振り返った。見よ。すべては空しく、風を追うようなものだ。日の下には何一つ益になるものはない。

◎ルカの福音書5 章30~32 節
30 すると、パリサイ人たちや彼らのうちの律法学者たちが、イエスの弟子たちに向かって小声で文句を言った。「なぜあなたがたは、取税人たちや罪人たちと一緒に食べたり飲んだりするのですか。」
31 そこでイエスは彼らに答えられた。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人です。
32 わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためです。」

◎ヨハネの福音書12 章2~3 節
2 人々はイエスのために、そこに夕食を用意した。マルタは給仕し、ラザロは、イエスとともに食卓に着いていた人たちの中にいた。
3 一方マリアは、純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ取って、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった。

◎ヨハネの福音書12 章7 節
7 イエスは言われた。「そのままさせておきなさい。マリアは、わたしの葬りの日のために、それを取っておいたのです。

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