<聖徒の死は主の目に尊い 創世記23章10~20節>
詩篇116篇15節に『主の聖徒たちの死は 主の目に尊い』とあることから、召天者記念礼拝の説教題は、「聖徒の死は主の目に尊い」としました。イエス・キリストを信じる信仰生涯を生きたキリスト者の死は、主の目に尊いのです。なぜ、「聖徒(キリスト者)の死は主の目に尊い」のか。天の故郷を目指し、この世を寄留地として、力強い信仰の証を残したからです。
1.天の故郷を目指したから
アブラハムの妻であるサラが死に、アブラハムはサラを葬るための私有の墓地を手に入れようとしました。土着の人であったヒッタイト人と交渉する時、彼は『あなたがたのところに在住している寄留者です』(4節)と伝えています。彼は神様から呼ばれ、『わたしが示す地に行きなさい』(創12:1)との主のみことばに従い、神である主を信じる信仰者となりました。『わたしが示す地』とは、『天の故郷(天国)』(ヘブル11:16)のことでした。彼は、天の故郷(天国)を目指したがゆえに、この世では『旅人』『寄留者』として生きました。そして、神様の約束としての数多くの子孫と約束の地が与えられることを忍耐強く待ち望み続けたのです。キリスト者もまた、イエス・キリストの十字架の死と復活を信じる信仰によって、罪が赦され、天の故郷(天国)を目指す者とされたのです。地上のものを目指す人生は、結局は空しい人生に終わります。天の故郷を目指したからこそ、聖徒の死は主の目に尊いのです。
2.この世を寄留地としたから
アブラハムは、『地上では旅人であり、寄留者』(ヘブル11:13)の立場であること、この世では不安定な立場、時には人々から見下される立場であることを認め受け入れていたのです。彼は、寄留者として土地を持つことができない立場で、「私有の墓地」を買うために、三段階の交渉をしています。①「私有の墓地」を持つためのヒッタイト人からの許可 (3~7節)。②「マクペラの洞穴」を「私有の墓地」とするための所有者エフロンの許可 (10~12節)。③エフロンが提示した銀400シェケル(村一個が買える高額)での購入(14~15節)。アブラハムもサラも、天の故郷を目指し、この世を寄留地としたために、生涯、試練が続いたのです。キリスト者も天の故郷を目指し、この世を寄留地とすることで生涯試練が続きます。しかし天の故郷での報いは大きいのです。この世を寄留地としたからこそ、聖徒の死は主の目に尊いのです。
3.力強い信仰の証を残したから
アブラハムは、高額な金額で「私有の墓地」を手に入れました。彼は、天の故郷を目指し、この世を寄留地とした、力強い信仰の証は、主の目に尊いと知っていたからです。「マクペラの洞穴」はアブラハム一族の墓となりました。力強い信仰の証を子孫に伝える所となったのです。召天者の力強い信仰の証から、イエス・キリストへの生きた信仰を受け継ごうではありませんか。
関連聖書箇所
◎詩篇116篇15節
15 主の聖徒たちの死は【主】の目に尊い
◎創世記12章1~2節
1 【主】はアブラムに言われた。「あなたは、あなたの土地、あなたの親族、あなたの父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい。2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。あなたは祝福となりなさい。
◎ヘブル書11章8~10節
8 信仰によって、アブラハムは相続財産として受け取るべき地に出て行くようにと召しを受けたときに、それに従い、どこに行くのかを知らずに出て行きました。9 信仰によって、彼は約束された地に他国人のようにして住み、同じ約束をともに受け継ぐイサクやヤコブと天幕生活をしました。10 堅い基礎の上に建てられた都を待ち望んでいたからです。その都の設計者、また建設者は神です。
◎ヘブル書11章16節
16 しかし実際には、彼らが憧れていたのは、もっと良い故郷、すなわち天の故郷でした。ですから神は、彼らの神と呼ばれることを恥となさいませんでした。神が彼らのために都を用意されたのです。
◎ヘブル書11章13節
13 これらの人たちはみな、信仰の人として死にました。約束のものを手に入れることはありませんでしたが、はるか遠くにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり、寄留者であることを告白していました。
◎マタイの福音書5章11~12節
11 わたしのために人々があなたがたをののしり、迫害し、ありもしないことで悪口を浴びせるとき、あなたがたは幸いです。12 喜びなさい。大いに喜びなさい。天においてあなたがたの報いは大きいのですから。あなたがたより前にいた預言者たちを、人々は同じように迫害したのです。
◎創世記49章29~31節
29 また、ヤコブは彼らに命じた。「私は、私の民に加えられようとしている。私をヒッタイト人エフロンの畑地にある洞穴に、先祖たちとともに葬ってくれ。30 その洞穴は、カナンの地のマムレに面したマクペラの畑地にあり、アブラハムがヒッタイト人エフロンから、私有の墓地とするために、畑地とともに買い取った洞穴だ。31 そこにはアブラハムと妻サラが葬られ、そこにイサクと妻リベカも葬られ、そこに私はレアを葬った。